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【集合のダイアログ】EIGHT – critical institute for arts and politics

アテネ中心部にあるエイト(アートと政治のクリティカル研究所)は、ギリシャ経済危機の8年後に結成されたエイト・コレクティブの拠点として、アーティスト、演劇監督、理論家によって始まったスペースです。経済危機を受けて、長年使用されていなかった公的施設を占拠したり、アーティストが一人も招かれなかったEUの文化政策に関する会議でひたすら笑うという介入アクションを起こしたり、市内の多くのアーティストたちと集まり活動を行なっていましたが、2019年には自分たちのスペースをオープンし、国際レジデンスも実施しています。文化大臣を招いて、政府の文化政策プロセスを批判するディスカッションなども開催しています。

EIGHT, critical institute for arts and politics

ヴァシリス・ノウラス
コスタス・ツィムリス
(エイト共同設立者、アーティスト・デュオVASKOS

▶︎公式サイト

エイトは、常に変化し続け不安定な状況に、批判的に介入する可能性を模索しながら活動する場として、アテネ中心部に立ち上げた文化的スペース。社会文化的構造を大きく変えたギリシャの経済危機が始まった8年後の2019年3月に設立された。様々な芸術、政治、舞台プロジェクト、また、都市の研究や社会的行動を展開し、継続の方法を探りながら、新自由主義経済で求められる持続可能性に挑戦する。エイトは、アーティストのヴァシリス・ノウラスとコスタス・ツィムリス、キュレーターで研究者のギギ・アルギロプロスによって組織されたプロジェクトであり、公的資金も民間からの援助も受けずに自律した活動を行う。

ヴァシリス・ノウラスはアテネを拠点とした美術作家であり、また、ノヴァ・メランコリアというパフォーマンスグループの舞台監督として活動する。コスタス・ツィムリスは美術作家であり、これまでにギリシャやセルビアで個展を開催。また、ふたりはVASKOSというデュオとしても活動。パフォーマンス、ドローイング、映像やセラミックなどを使用し、国家、性、芸術的アイデンティティに関する見解をユーモアを交えて組み合わせる作品を制作する。エンブロス劇場、グリーン・パーク・アテネ、DIYパフォーマンス・ビエンナーレなど、アテネ市内で街中を占領し文化・アート的行動を起こす動きにも参加している。


第二部(2日目)の概要

アーティスト・スタジオやイニシアチブは、文化創造の拠点であると共に、その地域の個々のアーティストと社会をつなげる接点でもあります。近年文化事業の増加と共に支援も増えていますが、観光や地域経済への還元、福祉などの課題を解決する手段にすり替えられがちです。創造的〈個〉が自己組織化し、広い意味での文化と社会の成熟した関係を、いかに構築することが可能なのでしょうか。ギリシャの経済破綻をきっかけに、アテネ市内でアーティスト・ラン・スペースを運営するエイト、相模原地域だけではなく国内の多くのアーティスト・スタジオとのネットワークを構築しているSuper Open Studio NETWORK、当団体も入居する札幌市のなえぼのアートスタジオが集まり、様々な〈集合〉のあり方を考えます。

2021年1月9日(土)18:30〜21:00
EIGHT – critical institute for arts and politics(ギリシャ・アテネ市) ヴァシリス・ノウラス&コスタス・ツィムリス
Super Open Studio(神奈川県相模原市) 山根一晃、水上愛美、小山維子
なえぼのアートスタジオ(北海道札幌市) 山本雄基ほか
ゲスト・モデレーター 加藤慶(アートラボはしもと)


令和2年度 「集合のダイアログ」S-AIR Exchange Programme
[主催] 特定非営利活動法人S-AIR
[助成] 令和2年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業
公益財団法人 北海道文化財団  公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
[企画協力] なえぼのアートスタジオ  
北海道教育大学岩見沢校 アートプロジェクト研究室