アーティストのリョン・チーウォーは、他のアーティストと共に90年代に活動拠点としてパラサイトを共同設立しました。香港返還前から活動する上の世代のアーティストへインタビューを行い、今は教員として若いアーティストとも関わっています。80年代から現在の香港アーティストのアイデンティティの変化など、今やアジアでも有数のアート市場となった香港の移り変わりを、パラサイトの運営の移り変わりを通して語っています。チーウォーは、2005年にS-AIRの招へいにより札幌で滞在制作を行なっています。15年ぶりのヴァーチャル再会となりますが、話を振り返ると、その頃パラサイトのメンバーは海外で積極的に活動するようになり始めた頃だったようです。
リョン・チーウォー(梁志和)
アーティスト、Para Site 共同設立者
▶︎公式サイト
イタリアの写真アーカイヴ研究センター(CRAF)で写真文化を学んだ後、1997年香港中文大学にて芸術課程修了。写真、テキスト、古いモノ、パフォーマンス、インスタレーションなどを用いて、コンセプトに基づいて歴史を紐解きながら、記憶、権力システム、歴史の両価性を問う作品を制作する。
1967年に香港で起きた反植民地暴動に焦点を当て、その年に起きた様々な社会的、文化的、政治的事件についての調査を続ける。古いモノ、アーカイブ素材や画像を総合的に収集し合成することで、日常のひとときとその背景にある不安定な政治情勢を並列して見せている。
リョンはPara Siteの共同創設者であり、現在は香港市立大学クリエイティブ・メディア学部准教授。2005年にはS-AIRのアーティスト・イン・レジデンスに参加している。
第一部(1日目)の概要
第一部では、世界の様々な都市におけるアートや政治の関係、自発的に始まる文化などを焦点に当てた映像作品を制作するモーガン・クエインタンス、香港でアーティスト・ラン・スペースを共同設立し、香港返還前から活動するアーティストたちにインタビューを行い香港社会の変化とアーティストたちの活動を記録する活動も行ってきたアーティストのリョン・チーウォー、そして、パンデミックで文化支援の不十分さが明るみになった日本において、アーティストたちが自らの労働条件や環境を改善すべく、ネットワークを形成する動きに関わっているアーティストの川久保ジョイさんをお招きし、お話を伺います。
2021年1月8日(金)18:30〜21:00(日本時間)
モーガン・クエインタンス(S-AIRレジデント・アーティスト、ライター)
リョン・チーウォー(アーティスト)
川久保ジョイ(アーティスト/art for all)
モデレーター 橘匡子(特定非営利活動法人S-AIR)
令和2年度 「集合のダイアログ」S-AIR Exchange Programme
[主催] 特定非営利活動法人S-AIR
[助成] 令和2年度 文化庁 アーティスト・イン・レジデンス活動支援事業
公益財団法人 北海道文化財団 公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
[企画協力] なえぼのアートスタジオ
北海道教育大学岩見沢校 アートプロジェクト研究室