おかげさまで、S-AIRの今期レジデントであるマリット・シリン・カロラスドッターとモーガン・クエインタンスは、12月11日から2月2日までの札幌大通り地下ギャラリー美術館での「せんと、らせんと、」での展示を終えることができました。二人の制作への素材および作品提供にご協力いただきました30名の皆様に御礼を申し上げます。お支えあって、NPO S-AIRとしてパブリックな場所に今回のオンライン・レジデンシーの歩みを展開できたと感じます。
今回モーガンの展示では、一般応募とは別にプロジェクトのパートナーとして、モデルで札幌市のバリアフリーを担うまちづくり委員をしており、自身も障がい当事者である堀楓香さんとミーティングを重ね、展示の仕方や編集を決めていきました。堀さんの展示コーナーやQRコード設置は堀さんが車椅子に乗るときの目線の高さに合わせて行いました。堀さんには搬入時にも来ていただいて、撮影時のことや、普段のご自宅では提供物をどのように使っているのかなどのお話をうかがえました。
マリットは日本との、北海道とのつながりを深めたくも、オンラインでは実際に街や自然の中に行くこともができず、またコロナ禍でS−AIRスタッフが人とつなげることも困難でした。日々行うダンスは物理的な体験であるので、もしそれを実際に札幌の人々とシェアできるならと「森に行こう」と題した3回のオンライン・ハングアウトを行いました。道内から参加した8名が各自都合の良い時間にマリットが送ったタスクを行い、展示会場では参加者撮影の動画や参加者の言葉も投影されました。
マリットのワークショップにご参加いただいたNPO法人札幌カラス研究会の中村眞樹子さんからも、プロジェクトについてご紹介いただいています。
この展示に際し、12月12日にNPO S-AIRでおこなわれたAIRマスタークラス/ ポストコロナと滞在制作 第1回「第1回「北海道・札幌の文化と作品制作―キュレーターの視点から」のキュレータートークの部分(四方幸子さん、長谷川新さん、飯岡陸さん、そしてNPO S-AIRの柴田尚)を公開しております。御覧ください。